自然と湧き出る親子の情

母との暮らしも10ヵ月近くになりました。
振り返ってみると、同居からのこれまで、色々と悩んだことも現実とのすり合わせが出来て、私も落ち着いた気持ちになりました。
 
母はこれまで自分の老いを悟られたくないという自尊心のようなものが強かったのでしょう。
毎月の検診では、家族を診察室に同行させなかったけれど・・・私には許してくれました。
主治医と話し合える機会を得て、脳のMRI撮影もして、現状を把握することが出来ました。
 
認知症の予防薬も処方され、介護保険の申請も終え、「要介護1」を認定されました。
 
身近に住む家族の私と通ってくる他の家族との関わり方が違うことに、とても違和感を感じていたけれど、それも「認知症の症状」であることを知りました。
 
本人はいつまでも『呆けずに元気でいたい』と願い、不安や不調と戦っています。
 
同居当初は、そんなに強がらずに頼ってくれればいいのに。。と、思ったものだけれど。
 
【強がること】が【母にとっての生きる力】なのだと分かりました。
 
母の言動が中核症状ではないかと、1月には私は疑っていたのだけれど、主治医から先日渡された冊子には「中核症状と行動・心理症状(BPSD)」『認知症のポイントとケア』の内容でした。
 
それを突き止めたからどう。ってことではなくて、
どう対処するか、私にどう受け止められるか。。それを今は主眼に考え、行動するようになりました。
 
へとへとになって、庭仕事をすることも考えに制御が利かない訳ではなく、母なりにやり遂げたい目標なのだと思います。
 
腰痛になっても肩こりになっても、毎晩 全身のマッサージをしてやり、よく効く湿布を貼って、明日も頑張ってね♪と応援することが大事なのだと分かりました。
 
嫌なことを言われたり、嫌な顔をされても、それは母の中で革命が起きていて(笑)何かと戦っているのです。それは辛いことではなく、生きるための原動力を養うための母の仕事なのです。
 
そう思うと、不穏な言動も穏やかな気持ちで見守ることが出来ます。
 
そういう【見守り】に必要なのは強さでも優しさでもなく、自然と湧き出る親子の情なのでしょう。
 
「易怒性」は認知症特有の症状ですが、それを自分に映してはならないのです。

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