2015年の高齢者介護
~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~
( 高齢者介護研究会より )
長生きをして幸せに生きることは人類の夢である。
介護が必要な状態にはならない、たとえ介護が必要となっても
できるだけ軽い状態で最期まで自分らしく生きていくことは、
私たちの共通の願いである。
今後、一層高齢化は進んでいくが、高齢期イコール要介護期ではなく、
むしろ大部分は介護を必要としない高齢者である。
高齢者自身が健康づくりや介護予防に取り組むことにより、
介護を必要としない、
あるいは、介護を必要とする期間をできるだけ短くし、
自分の能力を活かし地域社会に積極的に参加することを可能とすることは、より自分らしく生きがいのある充実した人生を送ることにつながる。
特に、これからの高齢者は、
介護が必要な状態にできるだけならないようにするため、
高齢期に入る前から、心身の健康についての知識を深めることを
含めて健康づくりに努め、十分に備えておくことが必要である。
また、このような取組によって、元気な高齢者が増加していくことにより、
高齢者自身が、地域社会での助け合いの仕組みの主体となることが
可能となる。介護に要する費用が過度に増大することを防ぎ、
負担を少しでも適正なものとするためにも、
介護保険制度のみに頼るのではなく、
高齢者自らが介護予防に取り組むとともに、
高齢者相互の助け合いの仕組みを充実させていく必要がある。
その際、これまで地域社会における高齢者相互の助け合いの担い手は
女性が主であったが、今後は地域社会での助け合いの仕組みに、
性別を問わず地域に住む高齢者が積極的に参画することが望まれる。
社会参加、社会貢献、就労、生きがいづくり、健康づくりなどの活動は、
介護予防につながるものである。
介護予防の推進という観点からは、介護予防を広い概念として捉え、
こうした様々な活動を社会全体の取組として進めていくことが必要である。